食中毒
食中毒
食中毒は、気温が高い夏場のイメージですが、実際には夏場だけでなく年間を通して発生しています。新型コロナウィルスも収まりはじめ、テレワークが解除され、お弁当を持っていく方も増えると思います。6月は梅雨が始まり、ジメジメとした日が続くこの季節は、食中毒菌の繁殖が活発になるので注意しましょう。
食中毒とは
「有害・有毒な化学物質等、毒素を含む飲食物を人が口から摂取した結果として起こる下痢や嘔吐、発熱などの疾病の総称」と定義されており、食中毒の原因となる細菌やウィルスが付着した食品や有害物質が含まれる食品を食べることによっておこる健康障害のことです。
食中毒の種類
食中毒の種類は大きく4つに分けられる
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細菌性食中毒
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ウィルス性食中毒
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自然毒による食中毒
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化学物質による食中毒
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細菌性食中毒
細菌などの微生物が原因で発症する食中毒。4つの中で最も多く発生し、6月頃から増え始めます。細菌は水分と汚れを栄養源にして増殖するので、水分が多く、気温の高い梅雨の時期は活動するのに絶好のタイミングです。湿った布巾や流しの水滴、調理器具についた食品の汚れなども細菌の温床です。発症の機序の違いにより「感染型」と「毒性型」に分けられます。
・「感染型」・・・食品内で一定菌数以上に増殖した菌を摂取し、腸管内で感染することにより発症(細菌が体内で増えて食中毒を起こす)
・「毒素型」・・・食品内で病原菌が増殖する際に毒素を産生、その毒素を食品とともに摂取することで発症。(細菌が食品中で増殖して毒素が作られ、食中毒を起こす)
感染型は腸管で増殖した後で発症するので、症状の出現にある程度時間がかかるのに対し、毒素型は比較的症状が出現するのが早い傾向にある。
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ウィルス性食中毒
ウィルスによって発症する食中毒。晩秋から冬の季節である11月から2月にかけて多く発生し、約9割以上がノロウィルスによるもの。
(例)ノロウィルス、ロタウィルス、A型肝炎ウィルスなど
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自然毒による食中毒
植物や動物にもともと存在している毒成分(自然毒)を摂取することにより起こる食中毒。秋から冬にかけて食べる機会が多い、キノコやフグに含まれる毒は致死率が高く、危険。
(例)フグ毒、キノコ毒、貝毒など
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化学物質による食中毒
商品の生産、製造、加工を経て、食品もしくは食品原料に本来含まれていない有害化学物質が混入し、それを摂取することで発症する食中毒。
(例)重金属、農薬など
食中毒の症状
6月頃から増え始めるといわれている細菌性食中毒の症状です。
特に注意したい食材:食肉全般、特に鶏肉。鶏刺しやレバ刺し
潜伏期間 :1~7日間
原因 :汚染された食品の生食、もしくは加熱不足など
主な症状 :水様便または血便、腹痛、発熱、頭痛、嘔吐など
予防法 :乾燥、熱に弱く加熱により防ぐことができる。寒さには強く低温でも
長期間生存できるので、長期間の冷蔵保存は気を付ける。
特に注意したい食材:生肉、特に鶏肉、鶏卵
潜伏期間 :18~36時間
原因 :汚染された食品の生食、もしくは加熱不足など
主な症状 :急激な発熱、腹痛、激しい下痢、吐き気、嘔吐
予防法 :加熱により死滅する。保存は低温で、調理するときは十分加熱する。
卵は割ったらすぐに食べる。
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腸管出血性大腸菌(O-157)
特に注意したい食材:牛レバー
潜伏期間 :1~10日間
原因 :汚染された食品の生食、もしくは加熱不足など
主な症状 :水様便の下痢から激しい腹痛、吐き気、嘔吐、発熱、血便。
乳幼児や高齢者は重症になりやすく、溶血性尿毒症候群
(急性腎不全、溶血性貧血、血小板減少)や脳症(痙攣や意識障害)
などの重篤な合併症を起こすことがある。
予防法 :O-157は75℃1分の加熱で死滅するので、
加熱するときは十分加熱する。
この他にも、色々な種類の菌があります。また潜伏期間は目安なので、潜伏期間外であっても食中毒の可能性、症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
食中毒の予防三原則
「付けない!増やさない!殺す!」
この原則に沿って6つのポイントがります。
①商品の購入
生鮮食品は新鮮なものを選び、早く持ち帰る!
②家庭での保存
生鮮食品はすぐに別々に冷蔵庫、冷凍庫へ入れる!
③下準備
調理前は手をしっかり洗い、調理器具も清潔に!
④調理
肉、魚、野菜は別々に。加熱は十分に!
⑤食事
清潔な手、食器で食事を。調理後の食品は室温に長く放置しない!
⑥残った食品
清潔な容器に入れる。時間がたちすぎたら思い切って捨てる!
食中毒は、しっかり予防をすれば防ぐことができます。
これらのポイントを守り、家庭から食中毒をなくしましょう♪
次回は「ジメジメ季オススメ!レシピ」です。
閲覧ありがとうございました。