ホルモンとは
ホルモンとは
「ホルモンバランス」という言葉は、よく耳にする言葉だと思いますが、ホルモンとは一体何でしょう?「ハッピーな毎日を送りたい」「若々しくいたい」など、美や健康に対しての願望は人それぞれあると思います。美しく年を重ねるためにも「ホルモン」はとても重要な存在です。
ホルモンとは?
「ホルモン」とは「体の中のさまざまな働きを調節する化学物質」です。自律神経の働きや、免疫、代謝など、あらゆる仕組みに関わっています。私たちの体の中には100種類以上のホルモンが備わっていると言われています。女性ホルモンとして有名な「エストロゲン」、実はこのホルモンは一生のうちにティースプーン1杯分程度しか分泌されません。このように、ホルモンはほんの少しの量で効果を発揮しますが、その量が多過ぎたり少な過ぎたりしてバランスが乱れると体の不調の原因になります。
ホルモンの種類
「男性ホルモン」「女性ホルモン」はよく耳にする言葉だと思いますが、ホルモンには多くの種類があり、その化学構造から大きく3つに分けられます。
①ステロイドホルモン
肝臓で作られたコレステロールを原料としているホルモン。体が受けたストレスに対し副腎皮質から分泌される「コルチゾール」や、体液中の塩分調節、血圧調節をする「アルデストロン」精巣から分泌される男性ホルモンや、卵巣から分泌される女性ホルモンなどの「性ホルモン」がある。
②ペプチドホルモン
タンパク質のもととなるアミノ酸が多数つながった構造で形成されるホルモン。視床下部、下垂体、膵臓、消化管から分泌されている大部分のホルモンがペプチドホルモン。脳を覚醒し活動させる働きのある「甲状腺ホルモン放出ホルモン」や体の成長を調整している「成長ホルモン」、血糖値を下げる「インスリン」などがある。
③アミン型ホルモン
アミンという化学基を持った構造のホルモン。快感ややる気の源の「ドーパミン」、昼夜の整体リズムを調節する「メラトニン」エネルギー代謝を調節する「甲状腺ホルモン」などがこれに当たる。
ホルモンはどこから分泌されるの?
ホルモンは「内分泌線」という器官から分泌されます。内分泌腺には「松果体、脳幹、下垂体、甲状腺、副甲状腺、胸腺、副腎、膵臓のランゲルハウス島、精巣、卵巣」があります。そのほか、「胃や小腸、脂肪細胞」からも分泌されますが線からではなく、細胞から分泌されるので内分泌腺には含まれません。「脳の視床下部」からも分泌されますが、こちらも内分泌腺には含まれません。しかし、腺も細胞の集まりであり、腺以外の臓器や器官からのホルモンも細胞から分泌されるため、最近は内分泌腺も含め「内分泌細胞」と呼ばれています。
ホルモン分泌のフィードバック
ホルモンがさまざまな機能を調節するためには、その時の変化に対応し、分泌量を変化させる必要があります。この時に必要なのが「フィードバック」です。これには、「ポジティブフィードバック」と、「ネガティブフィードバック」があります。
①ポジティブフィードバック
「ポジティブフィードバック」とは、あるホルモンが増加すると、それが刺激となり、他のホルモンが分泌される仕組みのこと。
②ネガティブフィードバック
「ネガティブフィードバック」とは、ホルモンの分泌が過剰にならないよう抑制する仕組みのこと。
幸せホルモン
「最近なんだかイライラする…」「元気が出ない…」そんなふうに感じている方は、「幸せホルモン」の「セロトニン」の不足が原因かもしれません。セロトニンは、「心を安定させる」働きをしています。
幸せホルモン「セロトニン」
人間の感情の「快」「不快」にもホルモンが関係しています。「快」には「ドーパミン」、「不快」には「ノルアドレナイン」が影響しています。ドーパミンは脳幹の「腹側被蓋野」にあるドーパミン神経から分泌される「やる気、行動力の源」となるホルモンです。一方のノルアドレナインは、脳幹の青斑角から分泌され、交感神経に働きかけ「体を覚醒させる」ホルモンです。どちらも適度な分泌であれば、やる気や快感をもたらし、危険から身を守ってくれます。しかし、ドーパミンが過剰に分泌されると、満足できずストレスが溜まり、欲求が抑えられず、買い物やお酒などをやめられなくなり依存症になってしまう危険性があります。一方、ノルアドレナリンが過剰に分泌されると怒りやすくなります。このドーパミンとノルアドレナリンの暴走を抑え、調整しているのが脳幹の真ん中あたりにある縫線角にあるセロトニン神経から分泌される「セロトニン」です。セロトニンがしっかり分泌されていると、気持ちが落ち着き、心地よく、満足感を感じることができますが、不足すると精神が不安定になり、イライラしたり、落ち込んだりします。この幸せホルモンと呼ばれるセロトニンは、小腸の粘膜にあるクロム親和細胞内からも分泌されます。
次回は「幸せホルモン 【セロトニン編】」で、もう少し詳しくセロトニンについて見ていきたいと思います。
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