ペットボトル症候群
ペットボトル症候群
「ペットボトル症候群」とは、糖質が多く含まれるペットボトル飲料をたくさん飲み続けることで起こるさまざまな症状のことで、正式には「清涼飲料水ケトーシス」と呼ばれています。清涼飲料水ケトーシスは、少なくても1ヶ月以上、10%程度糖分を含む清涼飲料水を毎日1.5ℓ以上飲み、急激に血糖値のあがる「ケトーシス」(血液中の※ケトン体が増え、血液が酸性になり体に不具合が生じる)になることです。
※ケトン体・・・体内で脂肪が変化して作られる物質で、エネルギー源として利用されている。健康な人の血液中にもケトン体は存在するが、その量は多くない。
症状
ペットボトル症候群の主な症状
・喉が渇く
・倦怠感
・イライラ
・頻尿
・吐き気
・腹痛
・意識障害
原因
ペットボトル症候群は「糖尿病」と関係しています。ケトーシスは本来、インスリンが全く分泌されなくなる「1型糖尿病」で起こりやすく、インスリンが多少は分泌される「2型糖尿病(遺伝や生活習慣が原因とされているもの)」では起こりにくいと考えられていました。しかし、2型糖尿病でもケトーシス状態に陥る人が増えはじめるようになり、原因を調べたところ、清涼飲料水を大量に摂取しているという共通点が発見されました。糖尿病や糖尿病予備軍の人の中には「自分が糖尿病(もしくは予備軍)である」という認識がない方も多くいます。そのような状態で、清涼飲料水を大量に飲むことで、ペットボトル症候群を発症してしまう人が増えたといわれています。
ペットボトル症候群の怖い悪循環
悪循環①
・清涼飲料水を飲む
↓
・血糖値が上がる
↓
・のどが渇く
↓
・余計にドリンクを飲む
悪循環②
・血糖値が上がる
↓
・インスリンが働かなくなる
↓
・さらに血糖値が上がる
ペットボトル症候群には、この2つの怖い悪循環が隠れています。
予防
今は、さまざまな清涼飲料水が発売されており、それらに含まれる糖はかなりの量のものばかりです。特に冷たい飲み物は、甘さを感じづらくなるため、大量に糖が含まれています。糖の摂取を少なくするためにも、普段から清涼飲料水を飲みすぎないようにし、水やお茶などを積極的に飲むようにしましょう。どうしても炭酸飲料水などの刺激がほしい場合は、無糖の炭酸水にレモンやグレープフルーツなどの果汁を絞って入れるなどの工夫をして、普段からなるべく糖を過剰摂取しないように意識することが大切です。
清涼飲料水の糖分
炭酸飲料水や、清涼飲料水にはかなりの糖が含まれています。一般的には全体の約10%の糖が含まれていると言われているので、500mlのペットボトルには、約50gの糖が含まれています。これはコーヒーや紅茶に入れる1本3gのスティックシュガーがおよそ17本分入っていることになります。世界保健機関が発表した、成人及び児童の砂糖摂取量は「1日25g以下」ですので、ペットボトルを1本飲むだけで、すでに倍近くの摂取量になると考えられます。
【番外編】
糖化を抑えてくれる身近な飲み物
どくだみ茶に含まれている「クエルシトリン」などのポリフェノール類には「抗糖化作用」があります。糖化は、体内でエネルギー源として代謝されなかった糖がタンパク質と結びつき、糖化されたタンパク質(AGEs)が出来上がることです。AGEs値が高いと、肌のたるみやシワなど見た目の老化の原因になるだけでなく、 動脈硬化や心筋梗塞など、病気の原因にも関与することがわかってきました。その糖化を抑え、AGEsの蓄積を防ぐ働きがあるのが「ドクダミ茶」です。清涼飲料水や炭酸飲料を飲むことが多い方は、代わりにドクダミ茶を取り入れてみましょう!
次回は、「糖尿病」です。
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