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耳、鼻、のどの病気

耳、鼻、のどの病気

耳鼻咽喉科で扱う疾患は、脳と眼球を覗く首から上の器官を対象とした感染者、アレルギー、聴覚や平衡感覚、嗅覚、味覚などの感覚障害、音声障害など意外と多くあります。耳鼻咽喉科で扱われる代表的な病気を見ていきましょう。

 

耳の病気

【難聴】

「難聴」は、音が聞こえない、聞こえづらい状態のことです。程度や原因により、言語発達や対人関係を中心とした社会的発達などに影響を及ぼします。

①伝音性難聴

外耳や中耳が正常に機能しなくなることで、音が伝わり難くなる。音を聞く神経に異常はなく、耳垢などの異物により外耳道が詰まったり、中耳炎などで鼓膜が炎症したり、耳小骨などの部品に不具合が生じることで起こる。薬や手術で回復する可能性がある。

 

②感音性難聴

内耳や聴覚神経に障害がある難聴。内耳で音がうまく処理されない、音の電気信号を脳へ伝える聴神経がうまく働かないなどが原因。音の内容がはっきりせず「何を話しているのかわからない」などの症状が生じる。原則として、手術による治療はできない。

 

③混合性難聴

伝音声難聴と感音性難聴の両方が重なった難聴。老人性難聴の多くは混合性難聴と言われていて、個人により伝音声難聴と感音性難聴のどちらの度合いが強いかが異なる。

 

【めまい】

「めまい」には、脳から生じるもの、耳が原因となるものがあります。

メニエール病

30代〜40代の女性に多い。突然目の前の風景がぐるぐると回り出す。めまいの少し前から耳鳴り、自閉感、難聴が起こることもある。蝸牛内のリンパ液が溜まりすぎて、内耳が浮腫んだ「内ンパ水腫」が原因。最近では、ストレスや睡眠不足、疲労などが影響しているという報告もあり、治療法はめまいを軽減させる抗めまい薬や内耳のむくみを軽減するための利尿剤などの薬物療法の他にも、ストレスを避ける、規則正しい生活を心がけることも大切と言われている。

 

良性発作性頭位めまい症

内耳の前庭にある耳石が剥がれ、三半規管に入り込むことが原因。耳石が転がり込むと三半規管内のリンパ液が揺れ、それと同時にクプラも揺れ動きめまいが起こる。治療法は、頭を決まった方向に動かし、剥がれた耳石を元の位置に移動させる理学療法。日常生活では安静よりも無理のない程度に体を動かして、めまい感、吐き気が起きた場合は少し休んでから動くと良いとされている。

《特徴》

・頭の向きを変えた際に起きる回転性のめまい

・めまいの持続時間は短く、30秒〜1分以内

・耳鳴り、難聴はない

・頭の向きを変えてからめまいまで数秒程度ずれる

 

鼻の病気

鼻炎

鼻水、鼻が詰まるなどの鼻炎には急性と慢性があります。

①急性鼻炎

「鼻風邪」 と呼ばれるもの。数日から1〜2週間で回復し、普段から鼻粘膜を痛めつけたり、空気が汚染された環境の中で生活する人、抵抗力の弱い子どもなどに起こりやすい。鼻水や鼻詰まり、くしゃみの鼻症状が一般的。ひどくなると粘膜の腫れが耳管を通り中耳の粘膜へも達し、「中耳炎」副鼻腔炎を起こす。また、咽頭炎から「気管支炎」を起こすことも。

 

②慢性鼻炎

鼻の粘膜が慢性的に赤く腫れている状態で、急性鼻炎を繰り返しているうちに症状が続いてしまう。アレルギー性のものや鼻腔の粘膜が厚くなる「慢性肥厚性鼻炎」などがある。埃が多い場所やガスが発声するような場所でマスクもかけずに長時間いる人もかかりやすくなる。症状は主に鼻水と鼻詰まり。粘性の高い鼻水で、全部出しきれない場合、喉に落ちて痰として排出される。鼻水が鼻腔内に溜まりそこに細菌が感染すると膿性になる。鼻の詰まり方、度合いは様々。

 

副鼻腔炎

蓄膿症」と呼ばれるもので副鼻腔に膿が溜まり、膿性の鼻水、頭痛などの症状があり、慢性化すると注意力が散漫したり、記憶力が減退することもある。原因はウィルス感染、アレルギー体質、先天的に鼻腔に炎症が起こりやすいなどが考えられていて、症状によっては手術が必要。

 

のどの病気

声帯ポリープ

声帯に生じる炎症性の腫瘤。ほとんどが片側に生じ、主に女性よりも男性に多く、歌手など声を出す職業の人、タバコの煙の刺激などにより起こりやすくなる。風邪などによる「上気道炎」重なれば声帯全体が大きく腫れ上がりポリープができやすくなる。主な症状は声枯れ、のどの違和感、発声時の違和感など。治療法は、ポリープができたばかりの時は、喉を休めて、声を出さない沈黙療法や吸入治療を行うことで自然になくなることもある。しかし、これらの治療に反応しない場合はポリープの切除手術が行われる。

 

誤嚥性肺炎

食べ物を飲み込む時は、脳からの指令で気管の入り口が塞がれるが、加齢によりのど周辺の筋肉の衰えや神経伝達の機能低下により、喉頭蓋が下がるのに時間がかかり、気管に飲み物や食べものが入りやすくなってしまう。食物に含まれる細菌が気管に入り、肺へ侵入してしまう誤嚥が起こると、肺炎を引き起こしやすくなる。誤嚥は、食事の時だけでなく、睡眠中の唾液、逆流した胃液が気管に入り起こることもある。予防のためにも、よく噛んで、ゆっくり食べるように心がけることが大切。

 

次回は「耳、鼻、のどを守る」です。

閲覧ありがとうございました。

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