新型コロナウィルス重症化リスク“慢性閉塞性肺疾患(COPD)”
新型コロナウィルス重症化リスク“慢性閉塞性肺疾患(COPD)”
ここ数カ月間、世界中を脅かしている“新型コロナウィルス”。
まだまだ謎の多いウィルスですが、新型コロナウィルスが重症化しやすいのは「糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)の基礎疾患がある方や透析を受けている方や免疫抑制薬や抗がん剤などを用いている方」と言われています。
その中でも「呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患)」、こちらは呼吸器系の病気というのはわかるかと思いますが、いったいどんな病気なのか?
今回は「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」についてみていきたいと思います。
COPDとは?
少し前にCMなどで耳にする機会もあった「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」
C ⇒ Chronic (慢性)
O ⇒ Obstructive (閉塞性)
P ⇒ Pulmonary (肺)
D ⇒ Disease (病気)
近年では、右肩上がりに患者数が増え続け、国を挙げて予防に取り組んでいる生活習慣病です。主な原因は長期間にわたる喫煙習慣であることから「たばこ病」や「肺の生活習慣病」とも言われています。以前からは、COPDは肺の疾患である「肺気腫」と気管支の疾患である「慢性気管支炎」に分かれていました。しかし、これら二つの疾患は、たばこが原因であるという共通点があること、そして両者が合併することが多いことから現在ではこの二つを合わせてCOPDと呼ぶようになりました。
どれくらいの人が罹っているの?
日本人40歳以上のCOPDの有病率は8.6%で、患者数にすると530万人以上と言われています。厚生労働省発表の「人口動態統計の概況」によると、2017年1年間のCOPDによる死亡数は1万8,523人でした。
COPDにおける死亡数は男性で第8位(1、2025人)に対し、女性は11位(3,257人)という結果でした。
WHOでは患者数と死亡者数は、世界的に今後も増加していき、2030年までには世界の死因の第3位になると予測されています。
世界的に主な死亡原因の1つにも関わらず、認知が十分にされていないため。COPD啓発に向けた様々な運動が世界各地で行われています。
COPDかも?該当項目セルフチェック
□ かぜでもないのに、痰の絡んだ咳がずっと続く
□ タバコを吸う
□ 階段や坂道など運動時や動作時によく息切れがする
□ 年齢は40歳以上
□ 呼吸に問題があり、以前に比べ活動しなくなった
□ ゼイゼイ、ヒューヒューと呼吸音がする
※こちらはあくまで参考程度に。疾病の治療等については、必ず医師の診察を受け、その指示に従ってください。
さらに進行すると・・・?
COPDが進行すると、少し動いただけでも息切れを起こし、日常生活もままならなくなります。さらに進行すると、呼吸不全や心不全を起こし、命にかかわることもあります。上の項目に当てはまる方は、定期的に呼吸器の検査を受け、自分の肺の状態を把握しておきましょう。また、肺の炎症は全身へと影響を及ぼします。COPD患者は次のような症状を合併するケースが多いことも知られています。
【全身への影響】 【肺合併症】
・抑鬱 ・肺高血圧
・心筋梗塞 ・肺炎
・消化器疾患 ・気胸
・骨粗しょう症 ・肺がん
・筋力低下
・糖尿病など
COPDは進行性の病気です。
なぜならば、残念ながら、一度ダメージを受けた肺胞は元に戻ることができない為です。しかし、現在の医学ではCOPDの根本治療はできませんが、早期発見し、早期治療、そして効果的な呼吸法を身に付けて肺の機能を維持し、健康増進につなげることは可能です。
残った肺機能を最大限に生かして楽に呼吸ができるようにし、生活の質を下げないようにしていきましょう!
次回は「COPD 効果的な呼吸法」です。
閲覧ありがとうございました。