健康と美のための予防医学

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関節と腱

関節と腱 

 関節のしくみ

 

「関節」とは2つ以上の骨がつながっている部分のことです。関節により、骨は色々な動きが可能になります。関節は、肘や指などのように決まった一方向にしか動かせない関節や、肩や股関節のようにどのような方向にも動かせる関節、可動性がほとんどなくほぼ動かない関節など、さまざまな種類の関節があります。関節は「関節包」という袋状の組織に包まれており、その内側には「滑膜」という薄い膜があります。滑膜からは、潤滑油の役割をする「滑液」が分泌され、関節をスムーズに動かせるようになっています。 

骨と骨が接する面には、水分を多く含み弾力性がある「関節軟骨」があり、クッションの役割をしています。滑液には、ヒアルロン酸、タンパク質などが含まれていて、血管を持たない関節軟骨へ栄養を与えるという働きもしています。また、関節には骨と骨を結ぶ繊維の束「靭帯」があり、骨の結合を強めたり、関節の安定の役割をしています。

 
関節軟骨

 

「関節軟骨」は、網目状になった強靭なコラーゲン繊維に「プロテオグリカン」という物質が絡みついたもので、骨の関節面を覆っています。プロテオグリカンはヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、タンパク質などが結合した物質でできていて、多量の水を保持することができます。関節軟骨はスポンジのように水を保持しながら、関節がうける衝撃を吸収したり、骨と骨が直接当たって摩擦を起こさないよう、クッションとなってくれています。関節軟骨は厚さが3〜5mm程度しかなく、血管もリンパ管も通っていないため、自然治癒は難しい組織です。特に膝関節は、日常のあらゆる動作で使われることが多く、歩行時には体重の2〜3倍もの負荷がかかります。そのため体重による負担も大きく、長年の負担の積み重ねにより、関節軟骨がすり減りクッションが弱まると、膝を動かした時に違和感、痛みが現れることがあります。


腱のしくみ

 

体の動きをスムーズにするためには、筋肉と骨がしっかりくっついていなければいけません。筋肉の端には、コラーゲンでできた繊維の束である「腱」があり、筋肉と骨をしっかりと結びつけています。腱は、骨に織り込まれるように結びついているので、非常に強く結合しています。体の中で最も大きい腱は足首の後ろにある「アキレス腱」です。アキレス腱はふくらはぎの筋肉をかかとの骨に付着させています。腱は伸縮性がほとんどなく、加齢とともに硬くもろくなってしまうため、突然大きな力を出す動きをすると、炎症を起こしたり、切れてしまうこともあります。

  

【番外編】

膝にたまる水は何の水?

関節内で、潤滑油の働きをする「滑液」は、滑膜で作られています。その滑膜は新しい滑液を作りながら古い滑液を吸収し、通常はバランスが一定に保たれています。しかし、滑膜組織に炎症が起こると、滑液の分泌が過剰になり、関節内に滑液が過剰に溜まってしまいます。特に膝の関節は炎症が起こりやすいため、滑液が溜まる症状が多く見られます。炎症が治まると、溜まった滑液は徐々に吸収されますが、腫れや痛みがひどく、膝の動きが制限されてしまう場合は、滑液を抜くこともあります。肥満の方の場合は、まずは体重を減らし、膝への負担を軽減させることが大切です。また、足腰に負担のかからない程度の運動で足腰の筋肉を鍛え、関節に負担のかからない体づくりをしましょう!

 

※痛み、腫れのある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

 

 

次回は「関節の病気」です。

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