健康と美のための予防医学

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骨の新陳代謝

骨の新陳代謝

骨の成長

骨の両端には「骨端線」という軟骨細胞の集まりがあり、この部分にカルシウムがたまり硬い骨が生成され、骨は成長とともに太く長く伸びていきます。この溜まったカルシウムが徐々に骨になっていくことを「骨化」と呼びます。成長期は、成長ホルモンの影響で骨化が活発で、骨端線もしっかりとした太いものですが、成長とともに細くなっていき、20歳ごろにはほとんどなくなってしまいます。骨端線がなくなると、それ以上骨は伸びなくなり、骨は20歳ごろをピークにし、加齢に伴い少しづつ脆くなっていきます。そのため、20歳代までに丈夫な骨を作っておくことは、歳を取ってから骨が脆くなるのを防ぐという意味でも大切なことです。運動は、骨端線を刺激し活動を活性化させたり、運動による刺激はカルシウムを沈着させ、骨を強くする作用があるため、骨の成長に大きな役割を果たしています。骨の強さを維持するためにも年齢問わず適度な運動で骨に刺激を与えることが重要です

 
骨の新陳代謝

骨は成長が止まってからも、新陳代謝を繰り返し新しいものに何度も何度も作り替えられていて、これを「骨代謝(骨のリモデリング)」といいます。代謝は古くなった骨を破壊する破骨細胞と、新しい骨を作る「骨芽細胞」により行われています。破骨細胞による骨の破壊を「骨吸収」、骨芽細胞により新しく骨がつくられることを「骨形成」といいます。骨代謝は、骨吸収が数週間続いたあとに数ヶ月にわたり骨形成が行われます。この骨代謝により、私たちの骨は1年で全身の約20〜30%が新しく入れ替わっています。

 
代謝とホルモン

代謝にはいくつかのホルモンが関わっていて、それらのホルモンの分泌が正常に行われないと、骨代謝のバランスが崩れ、骨が脆くなる原因となってしまいます。特に女性は、閉経により女性ホルモンの一つである「エストロゲン」の分泌が減少すると、骨吸収が骨形成を上回ってしまい、骨の再生が追いつかず骨粗しょう症を引き起こす原因となってしまいます。

【骨の成長に重要なホルモン】

カルシトニン・・・甲状腺から分泌されるホルモン。

          骨芽細胞を活性化させ、骨を作る

エストロゲン・・・女性ホルモンの一種。

          骨芽細胞の働きを助け骨の形成を促し、カルシトニンの分泌を

          増やし、副甲状腺ホルモンの骨吸収を進める作用を抑える。

成長ホルモン・・・脳下垂体から分泌されるホルモン。

          骨端線を活性化させ、骨の成長を促す。

 


【骨の成長に重要なビタミン】

ビタミンC ・・・骨の成分の一つ「コラーゲン」の生成に関与

ビタミンD・・・腸からのカルシウムの吸収を促す

ビタミンK・・・骨吸収の抑制、骨形成の促進の2つの作用を持つ。正常な骨代謝に不可欠なビタミン

 


骨密度と骨質

以前は、骨粗しょう症の原因は「骨密度」が低くなることが重視されていましたが、最近では骨密度が正常範囲でも骨折しやすくなる場合があることがわかり「骨質」を加えた「骨強度」が重視されるようになってきました。「骨密度」は、骨に含まれるミネラルの量のことで、ミネラルを多く含んでいる骨は隙間なく丈夫ですが、ミネラルが少なくなると骨はスカスカになり折れやすくなってしまいます。「骨質」は、骨の土台となるコラーゲンが関わっていて質の高い骨はコラーゲンがしっかり結びつき、カルシウムなどのミネラルが均一についている状態です。しかしコラーゲンは加齢とともに結びつきが悪くなり、カルシウムなどのミネラルの付着が均一でなくなってしまいます。カルシウムが十分足りていても、土台となるコラーゲンの質が悪いと、強い骨がつくられなくなってしまうというわけです。

 


次回は、「骨粗しょう症と骨折」です。

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