健康と美のための予防医学

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骨の仕組み

骨の仕組み

私たちの体は、骨と筋肉によって基本的な形と動きが完成します。骨と筋肉が老化や病気などにより弱ってしまうと、今まで普通にしていた動作や日常生活が困難になり、その結果、行動範囲が狭くなったり、寝たきりとなってしまうこともあります。生活の質を低下させない為にも、日頃から骨と筋肉を良い状態に保っておくことが大切です。

 
骨の働き

成人の体は、全部で約206個の骨が組み合わさり、骨格が形成されています。骨格は体全体を形づくるほかに、頭蓋骨は29個の骨が組み合わさり脳や眼球を保護していたり、胸にある胸骨、肋骨は25個の骨で心臓や肺を守るなど、内部の柔らかい器官を保護する役割もしています。また、骨には赤血球や白血球といった血球を作る働きやカルシウムやリンなどを貯蔵しておくという機能もあります。


【主な骨の働き】

・体を支える 

・臓器の保護 

・カルシウムやリンの貯蔵

・血球を作る      

など

 
カルシウムとリン

カルシウムとリンは、骨の材料や脳細胞の働き、全身の筋肉の収縮、血液の凝固にかかわる大切なミネラルです。血液中のカルシウムとリンが不足すると、副甲状腺ホルモンが分泌され、骨に貯蔵されていたカルシウムやリンを呼び出し血液中に放出されるようになっているため、血液中の濃度は一定に保たれるようになっています。しかし骨のカルシウムがどんどん血液中に溶け出してしまうと、骨はスカスカになってしまいます。


骨のつくり

骨は、タンパク質であるコラーゲンにカルシウムやリン、マグネシウムなどのミネラルがくっついてできています。外側の硬い「機密質」と呼ばれる部分と、内側の網目状の柔らかい「海綿質」と呼ばれる部分の二層構造となっています。海綿質は細い繊維状の骨が組み合わされることで力を分散し支えることができる、丈夫なつくりとなっています。その外側を硬い機密質が取り巻くことで、強度、弾力性を維持しています。他の細胞と同様、骨細胞も酸素と栄養素が必要です。そのため、血管やリンパ管が骨の内部にも分布しています。機密質には、木の年輪のような「骨単位」と呼ばれる円状のものがいくつも存在しており、その中心には「ハーバース管」という、血管、リンパ管、神経の通る道があり、ハーバース管から横方向に骨表面につながる「フォルクマン管」という管は、外からの血管やリンパ管の通り道となっています。この管を通る血液が、骨に酸素や栄養素を送ることで骨は成長を続け、硬さ、弾力性を維持することができます。

 

 造血システム

骨の中心部にある「骨髄腔」には、血液成分を作る造血組織「骨髄」が入っています。骨髄には、「赤色骨髄」「黄色骨髄」があり、「赤色骨髄」に造血機能があります。赤色骨髄には、赤血球、白血球、血小板、リンパ球などを作り出す元となる「造血幹細胞」があり、骨髄の中で細胞分裂を繰り返しながら成長していき、赤血球、白血球、血小板とそれぞれに成長していきます。この細胞分裂に伴いそれぞれの血球に成長していくことを「分化」といい、造血細胞は分化を繰り返して、成熟した血液細胞となりそれぞれの本来の役割を果たすことができます。また、造血細胞は細胞分裂により、自分と同じ造血細胞を作り出す「自己複製」という能力も持っています。この自己複製と、分化が骨髄の中で調節されて造血が行われています。年齢とともに脂肪細胞が増えることで赤色骨髄は黄色骨髄となり造血機能が失われていきます。乳児期、幼児期には全身の骨髄に赤色骨髄がありますが、大人になると赤色骨髄があるのは、脊椎、胸骨、肋骨、上腕骨、骨盤、大腿骨の骨端などの限られた骨だけとなり、あとの多くは造血機能を失った黄色骨髄に置き換わります。

 

 

次回は「骨と新陳代謝」です。

閲覧ありがとうございました。

 

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