健康と美のための予防医学

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食欲ホルモン 「レプチンとグレリン」

食欲ホルモン 「レプチンとグレリン

「あまり食べなくても平気かも。」という時と、「どうしても食べたい!」と食欲のコントロールが効かない時の違いは何が原因なのでしょうか?実は食欲が旺盛になったり、おさまったりというのにもホルモンがカギを握っています。食欲の仕組みを理解し、味方につければ夏までのダイエットの強い味方になります!


満腹ホルモン レプチン

食事をすると、噛むことによる刺激や、胃の膨らむ刺激などが、脳にある視床下部の満腹中枢に伝わり、食事から摂取された脂肪からは「レプチン」というホルモンが分泌されます。この「レプチン」が満腹中枢を刺激する「レプチン受容体」に作用し、食欲が抑制されます。つまり、食べることでレプチンが働き、脳は満腹を感じ、食欲がおさまるということです。そのほか、レプチンは交感神経に作用し、肝臓や筋肉などに「体内のエネルギーを消費するように!」と命令も出すので、食べる量を抑えさせ、摂取するエネルギーが多くなり過ぎないよう抑制し、さらに体でのエネルギーの消費を上げることで、体全体でエネルギーの過剰な蓄積を防ぐ事ができます。食欲を抑え、エネルギーの消費増大をもたらしてくれるホルモンです。


脂肪とレプチン

レプチンは脂肪細胞から分泌されるため、食事から摂取した脂肪が吸収されると、その脂肪細胞からレプチンが分泌されます。そのため脂肪が少なすぎると、レプチンの量も少なくなるため、食欲は盛んになり、脂肪を増やそうとします。そして、脂肪が十分摂取されると、脂肪と共に増えたレプチンによって食欲はおさまり、脂肪増加を防ぎます。

 
もっと食べたい!「グレリン

食欲抑制の「レプチン」とは反対に食欲を増進させるホルモンはグレリンです。空腹になるとグレリンは胃から分泌され、視床下部にある摂食中枢を刺激し、食欲を感じさせます。また、グレリンは好きな物を食べている時にも分泌量が増えます。好きな物を食べている時に、ついつい他のものよりも食べ過ぎてしまうのは、グレリンが分泌され、食欲が増加するためです。レプチンとグレリンは相反する働きがあり、レプチンが増えるとグレリンは減り食欲は抑えられますが、レプチンが減るとグレリンが増えるので、食欲を抑えられなくなります。


レプチンとグレリンのバランスを整える

①規則正しい生活

 不規則な生活が続くと自律神経のバランスが崩れやすくなってしまいます。自律神経のバランスが崩れると、レプチンの分泌が減少する原因となります。夜は早めに寝て、朝は早く起きるなど規則正しい生活で自律神経のバランスを崩さないようにすることが大切です。


②過剰な間食に気をつける

 お腹が空いていないのに、つい目の前にあるものを食べてしまうということを繰り返すと、グレリンの働きが乱れて食欲が抑えられなくなってしまいます。ダラダラと食べたり、間食を食べすぎることのないよう、朝、昼、晩の3食を基本にバランスの取れた食事を心がけましょう。


③運動でリラックス

 ストレスがたまると自律神経のバランスが乱れ、暴飲暴食の原因となります。適度に体を動かすことでストレスをこまめに発散し、ストレスをためないようにすることが大切です。運動以外にも自分なりの発散法で、ストレスが食欲にいってしまわないよう、ストレスをため込まないようにしましょう。

 

 

レプチンは自律神経と密接に関係していますので、ストレスや不規則な生活により自律神経が乱れると、レプチンが分泌されにくくなます。また、空腹でないのにもかかわらず「なんとなく」や「イライラするから」などの理由で、無駄に食べ続けると、グレリンの働きが乱れ、お腹が減っていないのに、減ったような感じがする「フェイク食欲」を感じるようになってしまいます。

そのような状態にならないよう、間食をするときは「本当にお腹が減っている?」と一度自分の体に聞いてみてください。食べる前に一度立ち止まって考えてみると、思っていたよりも、「お腹が減っていないのに、食べていた」ということが多くてビックリするかもしれません。

 


【番外編】

レプチン抵抗性


「レプチン抵抗性」とは、視床下部にあるレプチンの受容体が減少してしまった、もしくはうまく機能しておらず反応しにくく、レプチンがたくさん出ているのに、そのシグナルがしっかり伝わっていない状態のことです。

レプチンが出ているのに、その作用が発揮されないため食欲は収まらず、食べ過ぎてしまいます。レプチンは脂肪細胞から分泌されているので、体脂肪量が増えれば増えるほど血液中のレプチン濃度は上がり、減れば減るほど血液中のレプチン濃度も下がります。つまり太っている方の方が痩せている方よりも食欲を抑えるレプチンをたくさん持っているはずなのです。それなのに、太っている方がたくさん食べ過ぎてしまうのは、この「レプチン抵抗性」による「止まらない食欲」が原因であることがわかっています。このレプチン抵抗性の改善には、「就寝時間3時間前までに食事を済ませ、夕食後は水がお茶のみ」という規則正しい生活に戻すことで、少しづつ食欲が正常に戻り、食べすぎが抑制されるようになります。

 


知らず知らずの間に、目の前のものをつい食べてしまい、「レプチン抵抗性」になっていませんか?

「痩せたいけど痩せられない…」「つい食べてしまいダイエットが続かない」という方は、自分の食欲の状態を観察することから始めてみて下さい。そして食欲ホルモンを味方につけ、ダイエットを成功させましょう♪

 


次は「夏おすすめ!レシピ」です。


閲覧ありがとうございました。

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