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肥満

肥満

脂肪の割合が多過ぎる状態を「肥満」といいます。しかし、肥満と判定された全ての人に医学的問題がある状態とは限りません。
肥満は、国際的な標準指標であるBMI(Body Mass Index)=[体重(kg)]÷[身長(m)2]」を用いて判定します。男女とも病気にかかりにくいとされるBMIの目安は「22」です。これは統計上、肥満との関連が強い糖尿病、高血圧、脂質異常症に最もかかりにくい数値とされています。また25以上になると有病率が高まるため、肥満の定義は「脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、体格指数(BMI)25以上のもの」とされています。肥満は食べ過ぎや運動不足により摂取エネルギーが消費エネルギーを上回って起こる「単純性肥満」と病気などが原因で起こる「症候性肥満」があります。

 

からだへの影響

肥満は、糖尿病や脂質異常症などの代謝異常、高血圧など多くの疾病を発症させたり悪化させたりする要因になります。また、問題なのは脂肪のついている部位で、内臓についている「内臓脂肪型肥満」の場合には代謝異常の引き金になり、徐々に疾病に進行していく危険性があります。

 

原因

病気などが原因で起こる「症候性肥満」は、原因によって「内分泌性肥満」「遺伝性肥満」「視床下部肥満」「薬物性肥満」の4つに分けられます。症候性肥満の疑いがある場合は、医療機関で精密検査を行い、肥満の原因となっている病気の治療が行われます。病気を抱えている人で肥満気味の方は、医療機関を受診するとよいでしょう。
「単純性肥満」エネルギーの過剰摂取、消費エネルギーの減少の2つが原因です。ここでは単純性肥満について、詳しくみていきましょう。

 

  • 脂肪細胞が増える、肥大する

子どものころの栄養過多により細胞数が増大、肥大することによって肥満になる。

 

  • 乱れた食生活

まとめ食い、不規則な時間の食事、夜食、早食いなどの食生活の乱れは自律神経を乱し、結果肥満を招く。

 

  • 運動不足

運動不足により筋肉量が減ると、基礎代謝が低下し消費エネルギーが減ってしまう。また、インスリンなどのホルモン分泌や酵素の生成などさまざまな部分に障害が生じ、肥満を引き起こす。

 

  • 加齢

加齢により筋肉量が減り、それに伴い基礎代謝量が落ちてしまう。消費エネルギーは減っているのに、摂取エネルギーが以前と変わらないままだと、その過剰なエネルギー分が蓄積され、肥満となる。また、閉経後の女性はホルモン分泌がアンバランスになるため自律神経に乱れが起こり、肥満になりやすくなる。

 

インスリンが過剰に分泌されることで、ブドウ糖中性脂肪として蓄積され、肥満になる。

 

インスリンの働き》

インスリンは、膵臓から分泌されるホルモンの1種。肝臓でブドウ糖中性脂肪にして蓄積するのを助ける働きがある。また血液中のブドウ糖を全身の筋肉や細胞へ送り込む。たくさん食べることで急に血液中の糖の濃度が上がると、インスリンがそれを下げるよう分泌され、ブドウ糖中性脂肪に作り変えられてしまう。

 

予防・対策

肥満の主な原因は、摂取エネルギーの取り過ぎと、消費エネルギーの減少です。食べ過ぎなどの乱れた食生活や運動不足などの生活習慣を見直し改善することで、肥満は予防、解消することができます。
肥満になり治療を行う場合にも、「食事療法」運動療法を併用し治療に当たります。

 

①食事

肥満の予防には、食事の内容食事の摂り方に注意することが大切です。

まずは食べ過ぎや飲みすぎ、高カロリーな食事は避け、適正摂取量の食事を心掛けましょう。ただし、急激に食事量を減らすと、貧血や拒食症など体に悪影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。
脂質は中性脂肪になりやすい動物性油脂ではなく、コレステロールを低下させる不飽和脂肪酸を含むオリーブ油なたね油といった植物油を摂るようにしましょう。
タンパク質は脂質代謝に関与するため、十分に取りましょう。良質で脂質分の少ない豆類や赤みの肉、ささ身などがおすすめです。食事量を制限すると代謝を助けるビタミン、ミネラル、食物繊維が不足になりがちです。摂取量だけでなく、野菜や海藻をたっぷり摂るなど、栄養バランスにも気を付けましょう。砂糖を使った甘い食品はエネルギーが高く中性脂肪になりやすいため、摂りすぎには注意しましょう。

食事時間を守り、就寝直前には食べない

1日3食、規則正しく食べる

よく噛み、食事に時間をかける

バランスの良い食事

食事は腹八分目

 以上のことを心掛け、減量する場合は無理のないようにしましょう。

 

②運動

適度な運動で、消費エネルギー量を増やしましょう。ジョギングやウォーキングといった有酸素運動は脂肪を燃やし、エネルギーを消費します。また、筋肉トレーニングなどの無酸素運動は筋肉量を増やすので、基礎代謝を増やすことができます。運動習慣のない人は、日常生活の中で、階段を使ったり、遠回りをするなど、こまめに体を動かしたりすることから運動量を増やしていきましょう。

 

肥満は、様々な病気の要因となりますので、早めに対処することが大切です。

 

次回は「冷え性」です。

閲覧ありがとうございました。

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