動脈硬化の原因と予防法
動脈硬化の原因と予防法
動脈硬化の中でも日本人に急増しているのが、コレステロールとの関係が深い粥状(アテローム)硬化です。日本人の死因の上位を占めている「狭心症」や「心筋梗塞」などの「心疾患」「脳出血」や「脳梗塞」などの「脳血管疾患」の多くが「アテローム硬化」を引き金に起こっています。
原因
動脈硬化に深い関係があるのが「脂質」です。血液中の脂質のバランスが崩れると「脂質異常症」といい、動脈硬化の原因となります。
① LDLコレステロール
悪玉コレステロール
本来は細胞内に取り込まれ、ホルモン産生、細胞膜の形成などの役割を担うが、増えすぎると血管壁に沈着、蓄積し、血管の壁で炎症反応を起こし、血管の内壁を傷つけ、コレステロールがたまりやすくなる。心筋梗塞や脳梗塞などの誘引となる。
② HDLコレステロール
善玉コレステロール
蓄積したコレステロールの回収、血管の内壁の維持、抗酸化作用、血栓予防作用、血液を固まりにくくする作用で、動脈硬化を防ぐ作用がある。減少すると蓄積したコレステロールの回収をする働きが低下する。
③中性脂肪
トリグリセライド
人間が活動するために重要なエネルギー源となる。増えすぎると善玉のHDLコレステロールが減少し、悪玉のLDLコレステロールを増加させる。
脂質異常症の診断基準
・LDLコレステロール
140mg/dl以上
40mg/dl未満
・中性脂肪(トリグリセライド)
150mg/dl以上
最近は、これに加え「LH比」が動脈硬化の指標として注目されています。上記の数値が全て正常の範囲内であったとしてもHDLが少ないと相対的にLDLが多いことになるので動脈硬化の危険性が高まります。そこで「LH比」が重要であると考えられています。
《LH比》
・LH比=LDLコレステロール値÷HDLコレステロール値
・1.5以下 異常なし
・2.0以上 コレステロールが増え、
動脈硬化の危険性あり
・2.5以上 血栓ができている可能性あり
予防法
動脈硬化は、食生活、生活習慣を見直すことが大切です。
①食事
バランスの取れた食事はもちろん、低脂肪、低コレステロール、低塩分の食事を。
具体的には…?
・アルコールを控える
・脂肪分の少ない食事
・塩分を摂りすぎない
・水分をしっかり摂る
・野菜中心の生活
・大豆製品をしっかり摂る
などです。
②日常生活
・禁煙
・睡眠をしっかりとる
・ストレスを溜めない
・適度な運動
(ウォーキングなどの有酸素運動)
・肥満の方は体重を減らす
悪者と思われがちな「LDL(悪玉)コレステロール」も、「中性脂肪」も体にとって必要なものです。どちらも増えすぎてしまわないよう、そして「HDL(善玉)コレステロール」は減り過ぎてしまわないよう、
良いバランスを保つことが大切です!
次回は、「動脈硬化予防レシピ」です。
閲覧ありがとうございました。