健康と美のための予防医学

美&幸せのための健康な体づくり!健康について発信していきます。

私たちが「鼻」と呼んでいる部分は「外鼻」といいます。軟骨の骨組みがあり、下には「外鼻孔」(鼻の孔)があります。鼻の孔の中を「鼻腔」といい、「鼻中隔」という仕切りで左右に分かれていますが、奥の方にいくと仕切りがなくなり、1つの空間になり咽頭につながっています。

 

鼻の孔の中の構造

「鼻腔」(鼻の孔の中)の壁には左右それぞれに3つの小さな骨が張り出しており、上から「上鼻甲介、中鼻甲介、下鼻甲介」と呼びます。この鼻甲介により3つの空気の通路に分かれていて、この空気の通路のことを上から順に「上鼻道、 中鼻道、 下鼻道」とよびます。

 

《息の通り道》

・鼻から息を吸った場合 

主に上鼻道を通り肺に向かう

・鼻から息を吐き出す場合

主に中鼻道小鼻道を通り外へ 

 

鼻腔には表面に繊毛が生えており、その繊毛がほこりや微生物などの異物を吸着、除去し、フィルターのような役割をしています。さらに、鼻腔は粘膜で覆われていて、気管支や肺に冷たい空気が入らないよう、鼻道を通過する際に温度を25〜37度、湿度を35〜80%に加温、加湿し気管支に送り込みます。

 

【副鼻腔】

「副鼻腔」は、鼻腔の周囲にある空洞のことです。頬の裏側にある「上顎洞」、目の間にある「篩骨洞(しこつどう)」、額の裏側にある「前頭洞」鼻の奥にある「蝶形骨洞」の4種類があります。  これらの副鼻腔は細い穴で鼻腔に通じているため、 鼻呼吸をすることで副鼻腔の空気の交換が行われています。 鼻腔と同様、副鼻腔も線毛をもつ粘膜で覆われており、 入ってきたほこりや微生物を除去しています。

 

におい

匂いの物質は、一つ一つが立体的な分子構造をしていて、匂いを感じる受容体の構造と合致して結合したときに、匂いを感じる感覚を引き起こします。この感覚は、個人差が大きく、年齢や体調にも影響されます。さらに、同じ匂いをずっと嗅いでいると、匂いの感覚は鈍り、感じなくなってしまいます。また、同じ匂いでも濃度の違いにより異なった匂いと感じることもあります。

 

【においを感知する流れ】

①鼻腔から嗅上皮

においの情報が「鼻腔」から入る

鼻腔の最上部にある「嗅上皮」で感知

嗅上皮・・・切手一枚ほどの大きさの粘膜で、匂いを感じる「嗅細胞」があり、においの情報を電気信号に変える。

 

②嗅神経から大脳

嗅細胞が感知したにおいの情報が電気信号に変えられると、嗅覚器から伸びる「嗅神経」を経て「嗅球」に入り、におい分子の情報を整理し、大脳辺縁系に伝わる。

 

人が識別できるにおいの数は3000〜1万種程度と言われている。脳は過去に経験したにおおいの経験と比べたりして、さまざまな判断をする。

 

嗅覚の衰え

視覚や聴覚に比べると、嗅覚の変化はあまり認識されていませんが、実は65歳以上の約半数に嗅覚障害が生じていると言われています。その数は味覚障害の約3倍です。それにもかかわらず、嗅覚障害を自覚しにくいのは、減退した嗅覚を、脳がもつ「においの記憶」が補っているからです。加齢による嗅覚の変化の原因には、「嗅細胞」減少が挙げられます。

 

【嗅覚の衰えによる影響】

・栄養状態の不安

味覚には、嗅覚が大きく関係しているため、嗅覚が低下すると味の区別がつきづらくなり、食欲がなくなり栄養状態が悪くなりやすくなってしまいます。

 

・危険なにおいを察知できなくなる

火事やガス漏れなど、危険なにおいの察知ができなくなったり、遅れてしまうと、命に関わることもあります。また、腐った食べ物の匂いなどが感知できなくなることで、食中毒の危険性も高まります。

 

嗅覚は、美味しい食事、アロマテラピーなど、良い香りを楽しむだけでなく、安全を確保するためにも大切な感覚です。匂いを感じなくなったと思われる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

 

【番外編】

鼻水はどこへ?

鼻水は鼻腔の粘膜から分泌され、鼻腔から咽頭喉頭、気管の乾燥を防止するのに役立っています。鼻腔と喉は繋がっているので、鼻をすすると鼻水は喉へ落ちて、知らぬ間に嚥下して食道へ流れ落ちます。そのほか、鼻水のもととなるものには「なみだ」があります。目と鼻は細い管で繋がっていて、目の表面が乾かないように瞬きをするたびに鼻腔へも少量の涙が流れ、鼻腔の内側が乾燥しないように守ってくれています。泣くときに鼻水も一緒に出てくるのは、このためです。

 

次回は「のど」です。

最近忙しく、しばらく日にちが空いてしまい、ごめんなさい>_<

今後も、日にちが空いてしまうことがあるかもしれませんが、読んでいただけると嬉しいです♪

閲覧ありがとうございました。

 

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