心臓②
心臓②
心臓は胎児期から死を迎えるまで一時も休まず自動的に動いています。そのリズムは、自分の意思でコントロールすることは出来ません。では、どのようにしてリズムはコントロールされているのでしょうか?
心臓の動くしくみ
心臓の拍動(心筋の収縮と拡張の繰り返し)は、心臓の各部分に張り巡らされている電気の通り道に電気信号が流れることで発生します。この経路を「刺激伝導系」といいます。
【電気刺激の伝わり方】
・右心房の上部にある「洞房結節」
↓
・「房室結節」
↓
・「ヒス束」
↓
・「右脚・左脚」
↓
・「プルキンエ繊維」
このように電気信号が伝わっていくことで、「心房の収縮→心室の収縮」が引き起こされます。この刺激伝導系を担っている「特殊な心筋繊維」は、他の心筋繊維とは異なり、ほかからの刺激がなくても自動的に一定のリズムで拍動を繰り返すことができます。特に開始点となる「洞房結節」は、状況に応じて1分間あたり50〜150回の電気刺激を生み出すため「心拍動のペースメーカー」といわれています。
心拍数
心拍数に個人差はありますが、成人の場合1分間で60〜80回程度が標準とされていますので、1日に約10万回も拍動しています。
【自律神経との関係】
心臓には、「交感神経」も「副交感神経」も広く分布しているため自律神経の強い支配を受けています。特に心拍動のペースメーカーである「洞房結節」の周りには神経末端が多くあり、大きな影響を与えています。これにより、運動や緊張時には交感神経が優位になり、心拍のペースが速まり、リラックス時には副交感神経が優位になり心拍がゆったりしたペースになります。
心臓への負担
心臓は、常に休むことなく動き続けています。肥満で体積が増え血管の総延長距離が長くなったり、糖尿病や脂質異常症、高血圧などで動脈硬化があると血液の流れが滞りやすくなってしまいます。すると同じ10万回でも心臓への負担は相当なものです。ストレスを過剰に感じている場合も、交感神経が優位になり常に心拍のスピードが速い状態ですので、心臓へ負担がかかってしまいます。
「心臓に優しい生活」を心がけましょう!
次回は「心臓の異常なサイン」です。
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